干し柿・つるし柿を作ってみる
- 干し柿
- つるし柿
干し柿の種類を調べる前に、レシピを当たっておくかな。
幾つかレシピの類を見ていたら少しわかる部分が出てきたように思う。
甘柿は普通はサイズが小さいので、干し柿にするとさらに小さくなって見栄えがしないが、子供おやつにするなど大きさに拘らなければ全然構わない。
白い粉が吹くのは、柿が乾燥で縮むときに、中の蜜(糖分)が染み出て乾燥して白く変色すると考えた方が良さそうだ。甘柿は白くならないということだから、渋柿の成分の変化の過程で出て来る物質とも関連して良そうだ。いずれにしても、稲わらなどに潜む特定の菌が作用するというのは考え過ぎだろう。
干し柿を途中で軽く揉むのは、結果的に表面に細かい傷をつけて蜜が外に出やすくなることにつながる。小さな傷を蜜が塞いでコーティングする結果、中は一定の湿度が保たれる。
揉むことの効果は、しかし、全体として言えば、内部の水分を表面に寄せて、乾燥の効果を上げることに他ならない。表面の乾燥した部分と内部の水分が多い部分を混ぜることで、乾燥の効率を上げることになる。
揉むことの効果の3つ目は、組織破壊。熟し柿を見れば割るように、柿は勝手に内部の繊維組織は破壊されとろとろになる。皮をはいで強制的に乾燥を早めると、内部の熟し柿の状態に移行するタイミングが合わないから、揉むことで組織破壊を早めるのだ。
場所は寒風がベスト。風は乾燥。虫が寄ってこない場所。
想像だが、直射日光に当てると、濃い色に仕上がるだろう。日陰なら薄い色。
揉む回数は、揉む強さは、どちらも加減が難しい。 清潔な手で、キッチン用のゴム手袋で、作業の後に焼酎を吹いておく、など衛生面のケアも欠かせない。
1週間に1回程度。揉んだ時の感触で、好みの硬さ(柔らかさ)を見つけ、取り込む。
白い粉が吹いてしまったら、下手に揉むと粉が落ちて見栄えが悪くなるので、注意する。
取り込んで、通気性のある紙の袋、紙の箱などに入れる。常温でもいいが、人気のない場所が良さそうだ。長持ちさせたいなら、特に暖地の場合は冷蔵庫に入れる。
皮をむいた後に、熱湯につけるのは殺菌効果を狙うだけではなさそうだ。表面の組織を委縮させて、一種のコーティング状態を作る。組織の過剰版のを抑制してゆっくり乾燥を進めるだけでなく、揉む作業の時の表皮の弾力性を確保する。だから、焼酎を吹きかけるだけでは実は不十分なのだ。
サイズにもよるが熱湯タイムは5秒とか10秒とかに抑える。煮てはいけない。美味しさが逃げてしまう。
※
稲わらを使う効果について:
稲わらは通気性おあれば保湿性もあるので、それっを挟む形で干し柿を入れて行けば、相互に悪さはしない。と言うことではなく、干し柿を積み重ねることで軽い圧がかかり蜜(糖分)が滲み出されるのです。それが乾燥して白い粉になる訳です。ですから、通気性のある紙に挟む形で重ねて行ってもおなじですし、先に説明したように揉むことでも同じ効果が得られます。
この途中の重ね置きは普通は1回だけでなく、一晩置いたら向きを変えてもう一晩と言う具合にするのは、蜜出し効果を確実にするためです。
理屈が分かると簡単ですね。稲わらも紙も挟まなくても、プロセス上の問題はありませんが、見た目が悪くなるのは必至でしょう。
柿のサイズが大きい場合は、乾燥で縮んで自然と蜜が出てきますから、黙って干しているだけでも表面は白くなります。渋柿の大きいものは